楽譜の拡大写本作成公開講座

ローヴィジョン(弱視者)のための、楽譜の拡大写本の作成について、一緒に学習しましょう。

♪「つばさをください」
プラグインが必要です。
♪「いろんな木の実」
プラグインが必要です。
当講座で使用したサンプル楽譜、2曲のmidiです。試聴したい方は、スタートボタンを押して下さい。

ご意見ご要望ご質問は、大宮までどうぞ。

No.01(2005/11/01) 楽譜の原本画像「つばさをください」

まず、小学校6年の音楽の楽譜「つばさをください」の拡大写本を作成してみることにしましょう。「tsubasa.jpg」を右クリックして、保存しておいて下さい。これを原本として、ジャストシステムのソフト「花子」に貼り付けて、どういう風にして、この拡大写本を作成したらよいかを、一緒に考えていくことにしましょう。次回をお楽しみに。

No.02(2005/11/02) 下敷き付き花子ファイル

次に、自己解凍型の圧縮ファイル「tsubasa.exe」をクリックして保存し、保存したtsubasa.exeをクリックしますと自己解凍して、10ミリ□の下敷きを貼り付けた花子ファイルtsubasa.jhdcが出来ます。そして、そのファイルを花子で開いてみて下さい。また先に保存したファイルtsubasa.jpgを花子フォトレタッチで開いてみて下さい。如何でしょうか? 原本の楽譜tsubasa.jpg画像と拡大写本作成用の下敷きの付いたtsubasa.jhdc花子ファイルの両方が開きましたでしょうか。次回は、フォトレタッチの楽譜を花子に貼り付け、拡大楽譜の五線の大きさを決めることにします。

No.03(2005/11/03) 原本楽譜の貼り付けと、その拡大

 下敷きを花子で、原本の楽譜をフォトレタッチで開いていますね。
1)フォトレタッチの楽譜とその歌詞を、枠で選択してコピーし、花子のBプレーン(拡大原稿)に貼り付けて下さい。
2)その貼り付けた楽譜の歌詞と同じ文字を、フォントサイズ10ミリで、Eプレーン(文字・歌詞)に入力して下さい。
3)貼り付けた歌詞の文字が、そのフォント文字と同じ大きさになるように、貼り付けた楽譜画像をドラッグして拡大します。その時表示を400%位に拡大して、フォントの文字と同じ大きさかどうか確認して下さい。
 追記(2005/11/12)分かりやすいように、フォントの文字を赤色にしました。この場合の拡大原稿は、原本に対し縦280%、横220%位に拡大されています。
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 プレーンの選択は出来たでしょうか? プレーンを分けておかないと、後で文字や図形の選択で苦労することになります。以上について、私が作成したもの「tsubasa2.exe」を保存(ダウンロード)し、解凍してから花子で開いて見て参考にして下さい。次回は、Bプレーン(拡大原稿)の楽譜の五線の大きさと同じ大きさで、Dプレーン(五線・図形)に五線を入力します。

No.04(2005/11/04) 楽譜部品の作成

 それでは、いよいよ五線を入力するわけですが、今年、文字サイズ13ミリの拡大写本を作成したときの楽譜の部品が有り、それを80%に縮小すると丁度合いますので、使うことにします。それらの部品を花子の左のスペースに貼り付けました。これらを前回作成した拡大原稿に合わせて貼り付けて見て下さい。その時、これから貼り付ける楽譜の五線や音符が見やすいように、拡大原稿は、図形の上下を最も下にし、薄いセピア色に調整しておきます。この色調整は、拡大原稿をダブルクリックするとフォトレタッチが開きますので、その「画像」→「写真調整」で最高に明るくし、「画像」→「タッチ・モザイク・ノイズ」で色調整します。
 部品を貼り付けた「tsubasa3.exe」を保存(ダウンロード)し、解凍してから花子で開いて、その部品の中の音符等を「Ctrl」キーを押しながら、ドラッグして五線の上に貼り付けてみて下さい。「Ctrl」キーを押さないと、元の部品が移動して消えてしまいます。

No.05(2005/11/05) 花子画面の設定

 花子画面は、表示→パレット→で、描画・カラースタイル・プレーン・オプションを「tsubasa4.jpg」のように表示しておいて下さい。反転しているプレーンが現在入力しているプレーンです。常に、プレーンのカギ(選択の可否)・目(表示非表示)・反転(選択プレーン)等について、注意を払って下さい。それからオプションの「グリッドや図形にスナップするかしないか」や、「矢印キーによる移動幅」を適切に設定することは、正確に音符や図形を貼り付ける上で重要です。表示→パレット→コンテンツについては別のシートに表示しておくと、花子にある部品を検索して利用する上で便利です。  以上5回にわたって、基本的なことを説明してきましたが、理解できたでしょうか? 言葉足らずで、正確に説明が出来ているかどうか、いつも心配しています。疑問点が有りましたら、今の内にどんどんメールでも「みんなの掲示板」でも結構ですので書き込んで下さい。次の日までには回答するよう努力致します。

No.06(2005/11/06) 楽譜部品の貼り付け

 前回、花子画面の右側に、プレーンを表示するようにしましたが、そのプレーン設定を右図のようにします。鍵の絵と目の絵が有りますが、これはクリックする毎に変化します。
 またマウスを当てると説明が表示されます。鍵の絵が表示されていれば、そのプレーンは選択出来ません。また目が表示されていれば、そのプレーンに書かれたものが見えます、すなわち表示されるということです。
 これらは、やってみれば一目瞭然です。

 花子左の方に貼り付けた楽譜部品の中から四分音符を選択します。これをドラッグ(マウスの左を押したまま移動)して、原稿の音符の上でCtrlを押したまま、貼り付け(押していたマウスの左を離す)ます。ドラッグ元の音符と同じプレーンに貼り付けられます。ドラッグではなく、選択→コピー→貼り付けで、しますと青い色に反転しているプレーンに貼り付けられます。文字枠を入力するときも、この青い色に反転した(選択された)プレーンに入力されます。それを確認するには、他のプレーンを選択し、先ほど入力したプレーンの目の絵を消しますと、入力された内容が消えることで分かります。

 同様にして、他のト音記号や♭等の楽譜部品を貼り付けてみて下さい。

 次回は、貼り付けた音符の位置の微調整の仕方についてと、8部音符の旗の入れ方や、2連音符や3連音符の斜めの旗?の入れ方を説明します。

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No.07(2005/11/07) 音符の位置の微調整と音符の旗の入れ方

音符の位置の微調整
 位置調整しようとする音符を選択し、表示倍率を400%位に出来るだけ大きくして、下図のように、マウスで移動する方法が1つです。もう一つは、右図のように、キーによる移動幅を0.1mmに設定して矢印キーで、一回押す毎に0.1mm移動します。Shiftキーを押しながら矢印キーを押すと、一回押す毎に10倍の1.0mmになります。

音符の旗の入れ方
 右図のように、オプションの「図形にスナップ」を「する」にしておきます。下図のように、花子の左余白に貼り付けてある、楽譜の部品の中から、音符の旗を選択して、ドラッグして旗の端点を、音符の上の端点に近づけると赤の□が出て端点と表示されます(このとき図形にスナップしたわけです)。Ctrlキーを押しながらドラッグを放します(このときマウスの位置が動かないよう注意して下さい。動くとスナップがはずれてしまうことが有ります。)。8部音符の旗等も全く同じようにして出来ます。

 次は、旗を斜めにする方法です。右図のように、花子左端に表示されている描画パレットの、「図形の選択(部分選択・変形)」を選びます。そうするとマウスの矢印が変わります。そのマウスで下図のように、貼り付けた旗の左の部分を選択してドラッグし、もう一つの音符の上の端点にスナップさせて、ドラッグを放します。

No.08(2005/11/08) 「つばさをください」の全楽譜p4_p5の拡大写本レイアウト

 原本の「つばさをください」の全楽譜は「p04_05tsubasa.jpg」のようになっています。この4ページと5ページの見開きの原本(B4)を、用紙(B4)何枚にどのようにレイアウトしたらよいでしょうか?みなさん次回までに考えて見て下さい。いつも拡大写本をする上で悩むのがこのレイアウトなんですね。当然大きい文字ですから一般の生徒さんと同じように見開きのページで全体が見えるようには出来ませんが、弱視の生徒さんでも、一般の生徒さんと同じように、理解できるレイアウトはどうすれば良いかを考えなければなりません。レイアウトが決まれば、後はその通りに音符等を並べていくだけで、画像は最後に原本を切り貼りします。

 それから、歌詞の文字の入力です。一般の場合は音符に歌詞を合わせていくわけですが、拡大写本では歌詞の文字が大きいので、一個一個の文字を微調整することは困難です、そのため微調整のきく音符を歌詞に合わせていくことが多くなります。すなわちある程度は、文字のピッチを、音符の間隔に合うように文字間を入れて調整して、歌詞を入力します。その文字に合わせて音符を入力し微調整をします。

 では次回は全体のレイアウトを決めて歌詞を入力することにしましょう。

No.09(2005/11/09) 「つばさをください」の歌詞の入力

 歌詞を入力した「tsubasa5.exe」を保存(ダウンロード)し、解凍してから花子で開いて見て下さい。文字間は、出来るだけ音符に合うように、全角スペースと半角スペースで調整します。文字枠を選択し、その文字枠スタイルでフォントサイズ・文字間・行間を確認して下さい。行間については、歌詞についてはルビはありませんので、下敷きにこだわらないで、拡大原稿に合わせて5ミリにしてあります。文字間については、音符の間隔に合わせて、文字枠を分割して、それぞれ別々に設定する場合もあります。今回の場合は、スペースだけで調整が出来ました。

 次回はト音記号・音符等を入力してみます。

No.10(2005/11/10) 「つばさをください」のト音記号・音符等の貼り付け

 ト音記号・音符等の部品を大ざっぱに、「Ctrl」を押したままの連続複写にて、貼り付けました。このときグリッドや図形へのスナップは「しない」に設定しておいた方がいいです。後は微調整ですが、このときは、音符の旗等は図形にスナップ「する」にして、ドラッグで調整します。
 部品に無かった「mf」と「<」(クレシェンド)や「>」(デクレシェンド)は、右図のように、コンテンツの「部品」→「イラスト」→「音楽」→「音符」の中から探しました。
 「tsubasa6.exe」を保存(ダウンロード)し、解凍してから花子で開いて見て下さい。

「mf」は300%に拡大。

また、左図の速度表示の四分音符の棒の高さが長すぎますので、音符の旗の変形と同じように、図形の部分選択にて、低くします。

「>」は「アクセント2」を400%に拡大、「<」は「>」を180度回転。さらに横方向に拡大するか、または音符の旗の変形と同じ方法で調整します。

 次回は部品の微調整を行い、完成させましょう。

No.11(2005/11/11) 「つばさをください」のP4を完成

 音符等の微調整を行い、一応完成させました。 「tsubasa7.exe」を保存(ダウンロード)し、解凍してから花子で開いて見て下さい。

 「つばさをください」のP5は、同じようにして、みなさんで試作してみて下さい。。

 ここまでは10ミリの文字の拡大写本について説明してきましたが、次回からは8ミリの文字の拡大写本を作成してみましょう。10ミリで作成したものを如何に利用して、8ミリを作るかを考えてみたいと思います。

No.12(2005/11/12) 「つばさをください」のMIDI

 「つばさをください」のMIDIを作成してみました。作成した拡大写本の音符を追いながら、適当な音量でお聞き下さい。

No.13(2005/11/13) 文字10ミリの拡大写本の拡大率

 8ミリの文字の拡大写本を作成する前に、文字10ミリの拡大写本の拡大率を、No.03(2005/11/03) の追記(2005/11/12)で、調べてみると、原本に対し、縦280%、横220%になっていました。縦横同率拡大よりも、縦方向の方が拡大されていることになります。

 10ミリの文字に対し8ミリの文字は80%に相当しますので、完成した10ミリの拡大写本の楽譜の縦方向だけを80%にすると、原本に対し、縦280×0.8=224%、横220%で、縦横同じ拡大率になって、丁度原本の楽譜と相似形の楽譜になります。したがって、8ミリの文字の拡大写本は、10ミリの拡大写本の楽譜の音符の位置は変えないで、縦方向だけが80%になるように作成してみようと考えます。

No.14(2005/11/14) 楽譜の縦方向を80%に縮小、文字サイズを8ミリに

 右図のように、五線と音符だけが選択できるように、プレーンを設定する。それからオプションの図形の選択方法を「ボックス囲」にして、下図のように楽譜だけを選択して、Y方向(縦方向)だけを80%に縮小する。楽譜3行それぞれについて、この操作を行う。音符が少し横太りになってますが、これを直すには、一個一個こつこつと直す方法以外になさそうです。

 次は、歌詞の位置を変えずに、文字サイズを10ミリから8ミリに変更する。それには、同じように歌詞と文字だけが選択できるように、プレーンを設定する。文字と歌詞の全体を選択し、文字枠スタイルの、フォントの文字サイズを8ミリに、体裁の字間を25%・行間を4ミリに設定する。字間を25%にする理由は、文字サイズが小さくなっても、文字ピッチが10ミリになるようにするためです。

  結果は「tsubasa8.exe」を保存(ダウンロード)し、解凍してから花子で開いて見て下さい。

No.15(2005/11/15) 音符の横太りを修正

 まず、音符の横幅を縮小した際に、位置の移動があった場合に元の位置が分かるように、現在の音符を拡大原稿のプレーンの同位置に複写し、色を変えて、図形の上下を「最も下」にしておく。スラー記号や音符の四角い旗は、横方向の縮小の必要が無いので音符のプレーンから五線図形のプレーンに移動しておく。次に音符のプレーンだけが選択できるようにプレーンを設定して、音符を順次選択してX方向(横方向)を80%に縮小していきます。

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 音符を一個一個縮小するのもたいへんなので、一小節位を選択し縮小(Altキーを押したままMキーZキーEnterキーを順に押す方法もある)し、それによって移動したものを元の位置に矢印キーで戻します。

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  以上の方法にて完成した結果は「tsubasa9.exe」を保存(ダウンロード)し、解凍してから花子で開いて見て下さい。

No.16(2005/11/16) 文字サイズ8ミリの下敷きの作り方

 グリッドにスナップさせる方法にて、文字サイズ8ミリの下敷きを、文字8□,行間6,文字間0,中央文字間4.0の条件で作って見ましょう。まず、「表示」→「表示設定」→「グリッドの設定」→「グリッドの間隔」→「X軸=8、Y軸=14(文字サイズ+行間)」とし、「グリッドを表示」と「グリッドにスナップ」にチェックマークを入れます。マウスで正方形を選択し、グリッドにスナップさせ、正方形を描きます。この正方形を、Ctrlキーを押しながら連続コピーにて、次々とグリッドにスナップさせていきます。ある程度できたら、その全体を選択して連続コピーします。いろいろ工夫してみて下さい。ほぼ埋まりましたら、全体を調整して完成です。

 以上の方法にて完成した下敷き「sitajiki8mm.exe」を保存(ダウンロード)し、解凍してから花子で開いて見て下さい。

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No.17(2005/11/17) 文字サイズ8ミリの縦書き用下敷きと横書き用下敷き

 縦書き用も同じようにして作ります。バランスを考え行間を5.4(文字サイズの2/3)ミリに縦書き用と横書き用ともに修正しました。

・縦書き用は、文字8□、行間5.4、文字間0、中央行間 9.4、26行30文字
・横書き用は、文字8□、行間5.4、文字間0、中央文字間4.0、18行42文字

 完成した下敷きは「sitajiki8mm_kai.exe」を保存(ダウンロード)し、解凍して( sitajiki8mm_tate.jhdcとsitajiki8mm_yoko.jhdc)、花子で開いて見て下さい。

No.18(2005/11/18) 花子部品の音符修正方法

 花子部品の中に音符がありますが、教科書の音符と形が少し違いますので、教科書の音符と同じ形に修正してみます。
教科書の音符
花子部品音符  → 

 教科書の音符の上に、塗りを透明にして、線を赤色にした花子部品の音符を重ねます。それから、図形選択を「部分選択・変形」にして、固定点から伸びた方向点をドラッグして音符の形を教科書の音符に合わせます。

 次に、音符の棒の長さを修正して完成です。
 赤色が元の花子部品の音符、青色が修正後の音符です。

No.19(2005/11/19) 楽譜の五線について

 原本の教科書の五線と音符の上に、現在使用している花子に貼り付けてある五線と音符を透明(袋状)にして、貼り付けてみました。クリックして拡大してみると、五線の一本一本の線は長方形の四角になっているのが分かると思います。こうすると、前のバージョンの花子13でも、図形の拡大縮小で線の幅(太さ)も同率で拡大縮小することが出来ます。しかし、後で線の太さだけ一括変更するには、一本ずつ縦方向を拡大縮小するか、囲みの線の太さを変える等の工夫が必要です。

 花子13では、図形の拡大縮小をしても、線の幅(太さ)は変わりませんでした。新しいバージョンの花子2004では、右図のように「オプション」→「線幅を拡大」を「する」に設定しておくと、図形の拡大縮小の時に、同率で線幅も拡大縮小できるようになりました。したがって、新しいバージョンの花子2004では、花子部品の中にある五線の線幅(線の太さ)を指定すれば、線幅も同率で拡大縮小が可能です。また、後で線の太さだけを一括変更することも可能です。

No.20(2005/11/20) 楽譜のト音記号について

 ト音記号については、今回花子部品のト音記号の横幅を70%に狭くしたものを使用しています。横幅を狭くすることにより、その分拡大した音符をたくさん配置することが出来ますので、特に文字サイズが13ミリの拡大写本を作成するときには有効でした。しかしながら、文字サイズが10ミリ以下の場合は比較的余裕がありますので、元の花子部品のト音記号の形を採用した方が良さそうです。

 下図にト音記号や音符を透明(袋)にして、下に原本を縦横同率(270%)で拡大したものを貼り付けてあります。これを見ますと花子部品のト音記号は、原本のト音記号と若干異なりますが、ト音記号の特徴が、原本より比較的良く出ているのではないかと思い、採用しています。原本より音符の位置が左に詰まっていますが、B5原本の一行の楽譜が、B4拡大写本の一行に入るようにするためです。もっと大きい13ミリの文字サイズですと、同じ一行に貼り付けるのが更に難しくなり、ト音記号などの横幅も狭くしています。

No.21(2005/11/21) 「つばさをください」P5の歌詞の入力

 P5は一行の中の音符が8分音符と16分音符が沢山あって、文字数も多いので、音符に合わせて10ミリの文字サイズで、歌詞を入力するのが難しいですね。原本の音符の間隔も、音符の音の長さに比例していません。原本の教科書作りも苦労しているんじゃないでしょうか? どういう風に拡大写本を作るか、ここが思案のしどころです。一緒に考えてみましょう。出来るだけ音符の音の長さに沿うように歌詞を入れてあげたいが・・・。とりあえず適当に(いいかげんに)歌詞を入れてみました。原本原稿を貼り付けてありますので、ファイルが少し大きいですが、「tsubasa_p5.exe」を保存(ダウンロード)し、解凍して、花子で開いて見て、みなさんも考えてみて下さい。

No.22(2005/11/22) P5の歌詞の入力方法試案

 P4よりP5のほうが、一行の小節数が多いので、一行を長く用紙いっぱいにした。更に、拡大写本B4の中央の中折りのラインに音符がこないように、原稿をダブルクリックして、フォトレタッチを開き音符を適当にバランス良く(そのつもり)移動して修正しました。どこを修正したか分かるでしょうか?

 次に、この音符に合わせて歌詞を入力するわけですが、今回初めての試みとして、半角のスペースだけで文字間隔の微調整が出来るように、文字枠スタイル設定で文字間隔をー50%にしてみました。これで、全角文字の4分の1でスペースが入れられます。全くスペースを入れませんと文字が重なることになります。もっと大きい13ミリの文字ですと、一行に歌詞が入りきれない事が起こります。その時はフォント「フェルトペンS」(文字幅が90%)を使うと、それだけ一行に歌詞を詰めて入力することが出来ます。

 「tsubasa_p5_2.exe」を保存(ダウンロード)し、解凍して、花子で開いて見て下さい。ここまで出来れば、後は音符を原稿と歌詞に合わせて並べていくだけです。

No.23(2005/11/23) P5の音符等の入力

 P5の音符等の入力がどの位の時間で出来るか、測定してみましたところ、65分かかりました。

 「tsubasa_p5_3.exe」を保存(ダウンロード)し、解凍して、花子で開いて見て下さい。原本の2行めと3行めの連符の縦長さが短いので、写本も少し短くしました。また全音符は花子部品を300%に拡大して使用しました。

 次回は、P4と同じように、この文字サイズ10ミリの拡大写本を出来るだけ使用して、文字サイズ8ミリの拡大写本を作ってみましょう。

No.24(2005/11/24) P5の文字サイズ10ミリの拡大写本から8ミリの拡大写本へ

 まず、歌詞の文字を10ミリの文字サイズから文字ピッチを変えずに、8ミリの文字サイズに換えます。歌詞10ミリの文字間隔を−50%に設定しましたので、10ミリの文字ピッチ=10+10×(−0.50)になります。8ミリの文字サイズで、同じ文字ピッチにするには、8ミリの文字ピッチ=8+8×(−8ミリの文字間隔%÷100)が、10ミリの文字ピッチに等しくなるように8ミリの文字間隔を決めればいいわけです。
  8+8×(8ミリの文字間隔%÷100)=10+10×(−0.50)
これを解くと、8ミリの文字間隔=−37%になります。したがって、文字枠設定で、文字サイズを10ミリから8ミリに、文字間隔を−50%から−37%に、更に行間隔を5から4にしますと8ミリの歌詞の完成です。

 次は、楽譜(五線音符等)の縦方向を一行ごとに80%に縮小します。この状態では、かなり横幅の広いト音記号や音符等になっていますので、各ト音記号や音符の幅(横方向すなわちX方向)だけを80%に縮小します。これは一括でする方法が無く、個々にするので、最初から配置するのと同じくらいにたいへんです。この元の位置が分かるように、音符等の修正前の状態を、拡大原稿のBプレーンに色を変えて貼り付けておきます。今回時間を計って個々に全部の音符等の横幅縮小をしてみましたら、約50分位かかりました。

 結果は、「tsubasa_p5_5.exe」を保存(ダウンロード)し、解凍して、花子で開いて見て下さい。これで、一応8ミリの文字サイズのP5拡大写本の完成です。

No.25(2005/11/25) 文字サイズ13ミリの試作

 今度は文字サイズ13ミリの拡大写本を試作してみましょう。原本として、音楽4で一行の文字数が最も多く、難しそうなP8_P9「いろんな木の実」の楽譜を選びました。

 「13mm_P8P9.exe」を保存(ダウンロード)し、解凍しますと、「13mm_sitajiki_y.jhdc」と「p08_09_96dpi.jpg」が作成されます。まず「p08_09_96dpi.jpg」をフォトレタッチで開いて、みなさんで、この頁のレイアウトを考えてみて下さい。ファイルが小さくなるようにしたため、原本は荒れていますが、レイアウトを考える上では充分と思います。

 次に、下敷きと部品が貼り付けてある、花子ファイル「13mm_sitajiki_y.jhdc」を開いて、その拡大原稿のBプレーンに、考えたレイアウトを貼り付けてみて下さい。その際、部品の五線と同じ大きさ(縦方向)になるように原稿をドラッグして拡大し、一行がB4にいっぱいに入るようにドラグして、拡大原稿とします。

 お気づきでしょうが、この一行の歌詞の文字数28個を、如何にして一行に入れるかが問題となります。B4の横サイズは364ミリですので13ミリの文字は用紙の端から端までぎっちり入れて28文字(=364÷13)がやっと入ると言うことです。

No.26(2005/11/26) 文字サイズ13ミリの試作(P8・9「いろんな木の実」のレイアウト)

原本
 みなさんレイアウトを考えてみたでしょうか? 私の場合は、フォトレタッチで開いた原本の各部分を切りわけして、それぞれを花子B4用紙4枚に切り貼りすることにしました。そして、その各部分をフォント13ミリ相当に合うように拡大縮小し、レイアウトとしての拡大原稿としました。パソコンの場合は自由に、各部分毎に、大きさやレイアウトを変更できますので、いろいろ配置を変えて検討が出来ます。下図のレイアウトは、もう少し音符の位置を、歌詞が入るように調整する必要がありますが、如何でしょうか? つぎは、フォントやト音記号・音符等の部品を貼り付けていくことになります。

No.27(2005/11/27) 文字サイズ13ミリの試作(P0809−2歌詞の入力)

 まず一番難しそうな歌詞が4行付いているページの歌詞を入力してみました。フォントは「フェルトペンS」、文字間隔は「ー18%」、行間隔は「3.8ミリ」にしました。歌詞の行間隔はルビが無いので下敷きのに合わせる必要は無いです。右図をクリックするとその自己解凍型のファイルを保存できます。解凍して花子で開いて見て下さい。「パパイヤ」の文字は別文字枠で10ミリにして太字にしました。ひょきょりゃの小文字の「ょ」や「ゃ」と「(2番へ)」も別文字枠で書きました。また、各行の頭には半角のスペースを入れました(何故か、これを入れないと文字がそろわなかったためです)。

 あとは、音符等を入れていくわけですが、これもかなりたいへんですので、ぜひこの音符入力の応援をみなさんにお願いしたいと思います。トライしてみて下さい。

No.28(2005/11/28) 文字サイズ13ミリの試作(P0809−2音符等の入力)

 No.10で説明したと同じようにして、音符等の部品を適当に貼り付けました(右図をクリックするとその自己解凍型のファイルが保存できます)。反対向きのはんぷく記号は、左欄に貼り付けてある部品を180度回転して使用します。No.07で説明した「音符の位置の微調整と音符の旗の入れ方」を参考にして、貼り付け位置の微調整をしてみて下さい。

No.29(2005/11/29) 文字サイズ13ミリの試作(P0809−2貼り付け位置の微調整)

 音符等の貼り付け位置の微調整を完了させました(右図をクリックするとその自己解凍型のファイルが保存できます)。Bプレーンの拡大原稿の画像は、ファイルのメモリの大きさが小さくなるように削除しました。

 残りの「8・9ー1」「8・9ー3」「8・9ー4」も同様にして作成しましょう。これが完成して、やっと原本2頁分です。音楽4は64頁ありますので、来年度の3月末までに作るには、120日(17週間)ですので毎週4頁(拡大写本B4約8枚)を作る必要があります。他の音楽3、音楽6、も同様です。早速、12月から毎日こつこつと、みなさんで励まし合いながら頑張ることにしましょう。

No.30(2005/11/30) 文字サイズ13ミリの試作(P0809−1完)

 「8・9ー1」を完成させました。右図をクリックすると、その自己解凍型のファイルが保存できますが、画像についてはファイルが大きくなりすぎるため、それを削除し、画像貼り付け領域を表示しました。

 カラー文字は黒文字とし、その色の1.5ミリ幅のアンダーラインを引き、「新しく覚えること」は1.5ミリの緑色の線で囲みました。作詞者名等はフェルトペンSで文字間ー15%にしました。

 試作の段階で検討した、これらの事項を約束事としてまとめていくことが大事です。

No.31(2005/12/01) 文字サイズ13ミリの試作(P0809−3完)

 「8・9ー3」を完成させました。右図をクリックすると、その自己解凍型のファイルが保存できます。

 鍵盤は以前作成して貼り付けておいた部品を使用しました。矢印については、花子ファイルの部品を少し改造して貼り付けました。改造した部品は後で使えるように、花子余白の部品のなかに貼り付けておきます。

No.32(2005/12/02) 文字サイズ13ミリの試作(P0809−4完)

 「8・9ー4」を完成させました。右図をクリックすると、その自己解凍型のファイルが保存できますが、画像についてはファイルが大きくなりすぎるため、それを削除し、画像貼り付け領域を表示しました。

 ここの音符は、原本と同じように、本来の大きさの80%に小さくしました。吹き出しは、ページの囲いと同じブルーとした。また吹き出しの文字は、フェルトペンSを使用し、文字間はー15%、行間は2ミリとした。絵図(牛乳パックギロ、紙コップマラカス)の説明文は、その囲み線と同じ色の赤色の吹き出しとした。拡大写本ではスペースが無いので、どの絵図の説明文か不明確になるため、吹き出しを採用した。

No.33(2005/12/03) 文字サイズ13ミリの試作(校正)

 次は校正です。どなたか校正をお願い出来るでしょうか。一度一通り出来てしまうと、これ以外の作り方が見えなくなり、自分ではなかなか校正がうまくできません。したがって、第三者の目で校正して頂くことが、どうしても必要です。また今回の試作を印刷して利用者の意見も聞くのが良いことと思います。例えばフォントの大きさ、文字間隔、行間隔、吹き出しの入れ方、線の太さと色、レイアウト、等はこれでよいか。

No.34(2005/12/04) 楽譜の拡大写本作成公開講座の終了

 文字サイズ13ミリの試作p8とp9の拡大写本が一応完成しました。まだ校正が残っていますが、原本2頁の拡大写本を作成するのに、1日2時間前後で、一週間かかりました。3月末に完納するには、先に説明しましたように、64頁の原本ですので一週間で原本4頁(拡大写本でB4約8枚前後)ずつ完成させる必要があります。パソコンで作るにしても大変な作業であることを、改めて感じます。

 ボランティアの方達毎日何時間ぐらい拡大写本にかけることが出来るでしょうか。趣味として楽しみながらしましょう。やりがいのある趣味にお金と時間を掛ければ、掛けただけ完成したときの満足感が得られますので、悔いは無しとしましょう。

 これで、楽譜の拡大写本公開講座は一応修了と致します。一ヶ月間、一緒に学習におつきあいして頂いた皆様、有り難うございました。これから拡大写本を作成していく過程で、もっとうまい方法等が見つかりましたらお教え下さい。また、ご質問ご意見等ありましたら、「みんなの掲示板」、「グループの掲示板」、ここのページの「送信フォーム」、いずれでも結構ですので、お知らせください。

 それでは、これから作成する音楽の拡大写本は、音楽3、音楽4、音楽6、各60数頁あり、各2名ずつ分担するにしても、やりがいのある量ですので、みなさん情報を密に協力して作成することにしましょう。

No.35(2005/12/05) 楽譜の拡大写本作成公開講座の「おまけ」

 「おまけ」として、楽譜作成に便利な花子2004の新機能である「画像の白い部分を透過させる方法」「Ctrlを押さなくても、同じ部品を連続して貼り付ける部品スタンプ方法」を一緒に学習しましょう。ジャストシステムのマニュアル本の花子の新機能・特長を見ておいて下さい。

No.36(2005/12/06) 楽譜の拡大写本作成公開講座の「おまけ」

「画像の白い部分を透過させる方法」

花子2004では簡単に透過させることができるようになりました。
前もって、画像の透過させたい部分を、フォトレタッチで近似色として選択して、そこを切り抜いておいた方が良いでしょう。

囲いの図形が画像の上に重なっているので、画像を上にすると。

画像を選択、図形のイメージ化をし、右クリックして透過色設定。

透過にチェック、透過色をスポイトで選択。

結果、画像の下の図形が透過して見えるようになりました。

No.37(2005/12/07) 楽譜の拡大写本作成公開講座の「おまけ」

「同じ部品を連続して貼り付ける部品スタンプ方法」

 四分音符を連続して、貼り付けていく場合とします。

 まず、花子ファイルの左の余白に貼り付けてある、改造四分音符をドラッグして、右図のようにコンテンツのストックシートに登録し、それを選択しておきます。

 次に左図のように描画パレットの中のスタンプを選択しますと、 下図のように四分音符が付属されたスタンプ印のマウスが表示されます。(下図のスタンプ印が見えるでしょうか、ハードコピーではマウスの表示が入ってこないので、ディスプレーをカメラで撮りました)。それを原稿の四分音符のところに、次々と左クリックして貼り付けていきます。はんこを押すように出来ますね。

 課題:花子に画像をコピーで貼り付けると、すぐにファイル容量が数メガに、大きくなってしまい、パソコンの動きが悪くなることがあります。そこで次回は「おまけ」の「おまけ」として、花子ファイル容量を大きくしないで、画像を貼り付ける方法を学習しましょう。花子のヘルプで検索すると出てきますので、調べておいて下さい。

No.38(2005/12/08) 楽譜の拡大写本作成公開講座の「おまけ」

「ファイル容量がなるべく小さくなる方法で、JPEG画像を花子に貼り付ける方法」

 この花子ファイルは、大きい画像をフォトレタッチから切り取って、コピー貼り付けをしてありますので、ファイル容量が2メガとかなり大きくなっています。これを画像枠による貼り付け方法にて、およそ十分の一にします。
 まず、この貼り付けてある画像をダブルクリックして、フォトレタッチで開き、それをjpgで名前を付けて保存しておきます。

 次に、下図のように、挿入→画像枠作成→作成にて、先ほど保存しておいたjpg画像を選択して貼り付けます。そして大きさと上下関係を調整して適切な位置に貼り付け、上書き保存しますと、花子ファイル容量は、この場合2146KBが140KBにまで小さくできました。ただし、この画像はダブルクリックしてもフォトレタッチでは開きませんので、画像の修正が必要な場合は、再度jpg画像を修正して、画像枠として取り込みます。

 このファイル容量の大きさでしたら、Netで扱っても、ダウンロードで待ちぼうけにならないと思いますので、p0809-1wak.exeを保存(ダウンロード)し、解凍して花子で開いて見て下さい。